偉業

　ノ－ベル物理学賞受賞の益川氏の母校での公演模様をＴＶでやっていた。



　質疑応答の模様。



　「益川先生は、物理が嫌いになったことは無いのですか？」



　「私には【スランプ】という言葉はございません。壁にぶちあたったりした場合は、【人のせい(責任)】にしてしまいますから(＾＾)」



　どっと会場から笑いが起こった。



　最初リップサ－ビスかと思ったが、話を聞いていくに連れ



　「この人、本気でそう思ってはるなぁ～。やっぱりすごい人やなぁ～」と感じ入ってしまった。



　私も大学生の頃なら一緒に笑っていただろう。



　あの頃は、嫌な事や嫌な相手には「いや」とはっきり意思表示でき、場合によっては「あんた嫌いやから」と目前から排除できた。



　でも、うっすらと「社会に出たら、なかなかこうは行かないんだろうなぁ」と思っていた。



　「こいつきらいだから」という理由で、「上司を換えてくれ」とは、なかなか言えないし、



　「僕が失敗したのではなく、あいだに入った商社が悪いんです」では普通は通らない。



　そんなこと言っちゃたら「あいつは無責任なやつ」とのレッテルを貼られて信頼を失ってしまう。





　なかなか【人のせい】には、出来ないもの。



　68歳らしい。



　ＴＶの前でも自信がみなぎっておられる。



　ある意味【スランプ】脱出の最適な方法なのかもしれない。





　ＴＶを見続けていくと、



　奥さんとお二人でインタビュ-を受けておられる場面が映った。



　「あなたは、そういう言い方するから皆さんに誤解されるのよ」



　　と、何度も奥さんに突っ込まれていた。

　

　その都度、　



　「そうだなΣ(´д｀;)！」と素直に聞き入れておられた。





　【人のせい】…。　



　一番身近にいるご家族は相当大変だったんだろうなぁ～！と勘ぐってしまった(＾＾；)。